12月に入るとクリスマスツリーが街中で目立つようになる。住まいのエントランスでも然り、例年通りクリスマスツリーが飾られていた。去年よりも豪華な印象、タイミングも待降節から、サンクスギビングデーの後なので米国と同じだ。
しかし、ツリーをよく見ると何か足りない、クリスチャンが方が理事会にはいないのかも知れない。それは、ベツレヘムの星がないということ、これではキリストの降誕が知らされない、なので足元もプレゼントの包みなんだろう。
クリスマスツリーにはキリストの降誕に関連して飾りがされているという前提をよく認識していない証になってしまう。
クリスマスツリーの意味
クリスマスツリーはゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」から系譜を継ぐもの言われ、樫の木を「永遠の象徴」として祭祀に用い、崇める対象としていた。宣教師がキリスト教を広めるため樫の木「オーディンの樫の木」を切り倒すと、モミの木が生えてきた。その樹形が円錐形であり、頂点に神、両端に神の子イエスと精霊が繋がっている「三位一体」を体現していると捉えられたことが、クリスマスツリーの起源とされている。
ツリーは古代から続く「永遠の象徴」を表現した存在です。キリスト教ではこれに加えて「神の永遠の愛や神が与える生命を象徴する」といった意味が込められている。ツリーの頂上部に飾る星はイエス・キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星を表している。
また、クリスマスツリーは旧約聖書の創世記に登場する「知恵の樹」の象徴であるという説もある。蛇にそそのかされたアダムとイブが口にした「禁断の果実」がなっていた木が「知恵の樹」、ツリーに飾られる球形のオーナメントは、アダムとイブの食べた「禁断の果実」を表現している。
クリスマスツリーの飾り
星や天使、イルミネーション、丸いオーナメントなど、ツリーを彩る飾りにもさまざまな意味があります。
1)クリスマスカラー
クリスマスカラーと呼ばれる赤・白・緑の3色が基調であり、3色それぞれに意味がある。
赤は十字架にかけられたイエス・キリストが流した血、あるいは神の愛の象徴を表し、白は雪・純潔、緑は常緑樹に代表される永遠の命や力強い生命力を表現している。
2)星
ツリーの天頂に飾る星は、イエス・キリストが生まれたユダヤ・ベツレヘムの空に輝き、東方の三博士にその誕生を知らせたとされる「ベツレヘムの星」を表している。
3)天使
天使のオーナメントは、聖母マリアがイエス・キリストを身ごもった際、受胎告知した天使ガブリエルを表している。
4)イルミネーション
ツリーに星を表すロウソクを最初に灯したのはマルティン・ルターです。その後、ロウソクの代わりに広まったのが火事の心配の少ない電気を使った電飾。トーマス・エジソンが1880年に白熱球を開発したときにプロモーションの一環として電飾をツリーに付けたのがその始まりだったと言われいる。
5)オーナメントボール
色とりどりの丸いオーナメントボールはアダムとイブが口にしてしまった禁断の果実を象徴している。
6)キャンディケイン
ステッキの形をした硬いキャンディは、キャンディケイン(candy cane)です。caneは杖という意味です。
ゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」では樫の木に食物を捧げていたため、その名残でクリスマスツリーにはいろいろなお菓子が飾り付けられます。そこから、木にひっかけやすい形のキャンディケインが生まれたのではないかと言われている。
一方で、キャンディの硬さが堅牢な信仰心を表す、逆さまから見るとJの形なのでイエスを表す「Jesus」をかたどっている、羊飼いの杖をモチーフにしたなど様々な説がある。
キャンディケインはストライプ模様が特徴ですが、これはイエス・キリストが十字架で流した血を表しているとのこと。
7)ジンジャーブレッドマン(ジンジャークッキー)
人型のジンジャークッキーもオーナメントとして飾られる。
生姜が入ったお菓子は身体を温め、病気予防に効果があるとされ、ジンジャーブレッドマンは、その考え方を普及させたイギリスのヘンリー8世をかたどったものではないかと言われている。
8)クリスマスリースやヒイラギ、松ぼっくり
輪の形をしているリースは終わりも始まりもない永遠のシンボルとされてきた。ヨーロッパでは幸運のお守りとしても信じられており、神の永遠性と結びついたと言われている。ヒイラギで作られたリースは、イエス・キリストが磔となった際、頭に乗せていたいばらの冠を表現している。
また、リースの土台に使われるヒイラギや松ぼっくりは、豊穣や豊作への祈願が込められている。クリスマスの起源となった「ユール」は冬至の農耕儀式も兼ねていたため、その風習が受け継がれたのではないかと言われている。
9)靴下
靴下はサンタクロースのモデルである聖ニコラウスの逸話に由来したオーナメントです。
4世紀、イタリア半島のミラノに住んでいた聖ニコラウスは、貧しい一家を助けるため、真夜中に窓から金貨を投げ入れた。その金貨が暖炉に吊るされていた靴下に入ったことが、いつしか「クリスマスの夜に靴下を置いておくと、サンタクロースがプレゼントを入れてくれる」という伝承となり、ツリーにも装飾として用いられるようになった。
10)ベル
キリスト教にとってベルの音は喜ばしさの象徴とされている。イエス・キリストの誕生を告げたのがベルであったためです。そのため降誕祭にあたるクリスマスに、ベルのオーナメントは欠かせません。
11)綿
ツリーに降り積もる雪を表現するために、綿などを使って白を取り入れます。
このようにクリスマスツリーには御点前があるようです、商業主義がベースになって始まった日本のクリスマスツリーには魂が宿っていません。特にトップのベツレヘムの星は重要な要素です。
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