Saturday, 1 October 2022

松本清張のテレビドラマ「ザ・商社」

NHKで松本清張没30年再放送でけものみち、天城越え、ザ・商社が放映された。昨晩というか深夜だが、ザ・商社(1980年放映)の3回と最終回を観た。

原作は空の城(1977)、1975年に表面化した安宅産業問題を小説化、カナダの精油所事業失敗に伴う経営危破綻を描き、最終的に伊藤忠が合併に合意、

時は1973年10月、実際に安宅が石油精製所NRC事業を承認したが、開所式典の直前に第4次中東戦争が勃発、その後の石油高騰、NRCの設備不良などからNRCが経営難に陥入り、安宅からNRCへの少額担保融資条件等、与信枠4倍増額など前のめり、他方、第三抵当権設定ができず債権保全されず、政府・銀行が介入、

1975年9月、国際的な信用問題から政府とメインバンクである住友銀行他が介入、支援体制を整備、ここで毎日新聞が米国安宅の焦げ付き融資を報道、世間に公表された。住銀は伊藤忠との合併を打診。安宅は官営八幡製鉄所の指定商として発展した鉄鋼商社、安宅一族支配独特に残り、昭和になり飛躍を目指す

安宅米国の原油取引は中東から変動で購入し、米国で固定で販売、石油危機後の原油高騰が赤字を積上げ、安宅解体に繋がった。

伊藤忠は住銀には昭和金融恐慌、朝鮮戦争後の不況等で支援を受け、住銀の意向に沿い安宅支援、副社長だった瀬島隆三も動いたのだろう、1977年10月、安宅は伊藤忠に吸収合併
当時10大商社の最下位グループだった安宅産業の解体、伊藤忠による吸収合併により、社員3600人の1/4強が伊藤忠へ、1/2が希望退職などであった。大手商社へも多くが移籍したのだろう。伊藤忠は繊維主力商社だったが合併で鉄鋼部門を入手。政府・日銀の介入による融資銀行による不良債権処理を行った。

#ザ・商社、NY、カナダ、ロンドンとロケを行っている、原作には登場しない松山真紀役は中村紘子をモデルにしたとのこと、#夏目雅子 が演じている。昭和を感じるヘアスタイル、全裸シーンは美しい、NHKにしては稀有。梶井ムラ、江坂要造の私設秘書とう元芸者の設定は中村珠緒、嫉妬心の表現が素晴らしい·

#松本清張 のTVドラマ、主演女優 #名取裕子 の「けものみち(1982年)」も素晴らしかったが、#夏目雅子 の「ザ・商社(1980年)」も、妖艶さがちらりと、中村珠緒もだ。出演男優は同じく山崎努が。放映が1980年初め、1960-70年代にかけてが題材、世界情勢と日本社会を背景に巧みに表現している。

 

 

 

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