十字架に磔にされたイエス・キリストが三日目に復活したことを記念・記憶する、キリスト教において最も重要な祭である。
https://www.bible.com/bible/12/MAT.28.ASV
カトリック教会では「復活の主日」、聖公会、プロテスタント等では「復活日」、正教会ではギリシャ語から「パスハ」とも呼び、英語から「イースター」とも呼ぶ。
復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため年によって日付が変わる移動祝日であり、日曜日に祝われる。元々は太陰暦によって決められた日であったため、太陽暦では年によってその日付が移動する。
復活祭の日付は、AD325年の第1ニカイア公会議(第一全地公会、現在のトルコ・イズニクで開催)でユリウス暦で統一されたが、16世紀に西方教会がグレゴリオ暦を採用してから東方教会と西方教会で日付が異なっている。
グレゴリオ暦を用いる西方教会では、毎年3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日、東方教会ではユリウス暦を採用しておりグレゴリオ暦の4月4日から5月8日の間のいずれかの日曜日に祝われる。
キリスト教が優勢なヨーロッパ諸国等では、復活祭前の聖金曜日とその翌日の月曜日も祝日に制定されている。
UK:
4月2日 金曜 聖金曜日 Good Friday
4月5日 月曜 復活祭月曜日 Easter Monday
https://www.jetro.go.jp/world/europe/uk/holiday.html
カトリックのフランスやイタリアは復活祭月曜日だけ祝日であるが英国やドイツは聖金曜日も祝日となっている。ロシア正教会のロシアは特に宗教的な祝日は制定されていない。
https://www.jetro.go.jp/world/russia_cis/ru/holiday.html
2021年の西方教会の復活祭は4月4日(日)の今日である。他方、東方教会は5月2日となる。2011年、2017年、2025年は両協会とも同じ日が復活祭である。
西方教会 東方教会
2021年 4月4日 5月2日
2022年 4月17日 4月24日
2023年 4月9日 4月16日
2024年 3月31日 5月5日
2025年 4月20日
復活祭前の典礼:
▼大斎(四旬節)
カトリック教会、聖公会、ルーテル教会などの西方教会では、四旬節は灰の水曜日に始まる。カトリック教会では主の晩さん(聖木曜日)の夕べのミサの前までを四旬節とするが、聖公会、ルーテル教会では復活日前日までを四旬節とする。復活祭前の一週間は「聖週」「受難週」等と呼ばれ、教会暦の中で非常に重要な位置を占めている。復活祭前の日曜日は枝の主日(復活前主日、棕櫚の主日など)と呼ばれ、重要な主日のひとつとされている。
正教会では大斎(おおものいみ)は復活祭の7週前の主日である断酪の主日(赦罪の主日)の日没後から始まり、聖枝祭前日の「ラザリのスボタ」(ラザロの土曜日)の前日金曜日に区切りを迎え、聖枝祭を経て、受難週がある。それぞれの日を、聖大月曜日、聖大火曜日、聖大水曜日、聖大木曜日、聖大金曜日、聖大スボタと呼び、毎日特別の礼拝を行い、イエスのエルサレム入城から受難を経て復活するまでのそれぞれの日を象り記憶する。大斎期間中には祈りと食事の節制が行われ、喜びと浄化の時とされる。エチオピア正教会はこの大斎期間が最も長い。
四旬節および大斎の期間中には肉、乳製品、卵等の動物性の食品節制がある。これら節制されていた肉、乳製品、卵(東方教会では魚肉も)が復活祭の日に初めて解禁になるため、復活祭の正餐の食卓にはこれらの動物性食品が並ぶ。また、卵、バター、乳などをふんだんに使った復活祭独特の菓子パンやケーキが作られる。家禽を飼っている家庭では、四旬節および大斎の期間中に生まれたために食べられずにたまっていた卵をまとめて消費する。
▼復活祭当日
教会暦の区切りは日没頃にあり、教会における復活祭の当日は、一般の暦で言う前日晩から始まる。 ギリシャ正教会は22時過ぎからであった。
正教会における復活大祭における奉神礼は前夜に始まり、夜半課、早課、一時課、聖体礼儀と続けて行われ、夜半課と早課の間には十字行が行われる。これらの奉神礼の際、「ハリストス復活!」「実に復活!」という挨拶が繰り返し交わされ、パスハの讃詞が歌われる。
英語では「He is risen!」や「Happy Easter!」が、ロシア語では「ヴァイーストゥヌ・ヴァスクリェース」(まことに復活した)と答える。日本では「復活祭、おめでとう(ございます)」、「ハッピー・イースター」などが使われる。
▼復活節・復活祭期
復活祭から始まる期間が「復活節」(カトリック教会、聖公会、ルーテル教会)・「復活祭期」(正教会)であり、ペンテコステ(聖霊降臨)の日まで7週間続く。それぞれの教会の教会暦において礼拝、典礼、奉神礼が定められている。
正教会では復活祭期には「ハリストス復活!」「実に復活!」との挨拶が信者間で交わされ、復活大祭からの一週間は光明週間と呼ばれ、斎(食品の節制をはじめとする精進)は行わない。光明週間は復活大祭翌主日(翌日曜日)である、「聖使徒フォマの主日」とも呼ばれる「アンティパスハ(代逾越節)」まで続く。カトリック教会では、復活節の最初の8日間を「主の復活の8日間」と呼び、この期間内には主日(日曜日)ではない平日でも主の祭日のように祝われる。
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