Friday, 2 April 2021

なぜアラビックなのか?アラビックヤマトのり

 液体糊と言えば「アラビックヤマト」が定番なんですが、なぜ「アラビック」なのか?

ヤマト 液状のり アラビックヤマト スタンダード 50mL


製造しているのは明治32年(1899年)創業のヤマト株式会社、アラビックヤマトの発売は昭和50年、1975年10月とのこと。
ヤマト糊の歴史

この会社のQ&Aにその説明があります。
「アラビックヤマト」の「アラビック」は、どういう意味なのですか?
昭和30年代まで、アラビアゴムの樹液を主成分としていた液状糊を、別名「アラビアのり」と呼んでいました。
この「アラビアのり」は、容器のビンを逆さにすると、海綿を通して、液状糊が染み出し、手を汚さなくても糊がつけられる便利なものでした。そこで、この「アラビアのり」のビンの使いやすさと、合成樹脂の糊の良さを合わせ、かつソフトタッチの新しい糊の開発に取り組みました。
そして、「アラビアのり」の名残を残しつつ生れたのが『アラビックヤマト』です。

アラビアゴム(アラビアガム)の樹液を主成分としていた液状糊をアラビアのり(昭和30年代まで)と呼んでいたことに由来すると考えられるが、海綿を通して糊を出すようにしていたのは画期的なアイディアですね。現在の成分は、これもQ&Aにありますが、
石油を原料として合成された化学樹脂の一種であるポリビニルアルコール(PVAL)と水が主成分です。
※一部、PVAと表記されている商品もありますが、PVALと同じです。

アラビアゴム(アラビアガム)は、アフリカ、ナイル地方原産のマメ科ネムノキ亜科アカシア属アラビアゴムノキ (Acacia senegal)であり、樹脂はその同属近縁植物を含み、樹皮の傷口からの分泌物を乾燥させたもので吸水するとゼラチン様に膨らむ。樹脂は水に対する溶解性が高く、水溶液は強い粘性を示し、良好な乳化安定性を示すため食品添加物のうち乳化剤や安定剤として飲料や食品に広く用いられている。主産地はスーダン、チャド、ナイジェリア、セネガル、マリ、ケニアなどである。

食品添加物としてはアイスクリームなどの菓子類やガムシロップに用いられる。また、医薬品の錠剤のコーティング剤や、絵具、水彩絵具の固着材、インクなどの工業製品にも用いられている。乾燥時にべたつかず、わずかな水分で速やかに粘性を示すので、切手の接着面の糊にも使用されている。

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