Saturday 4 March 2023

ロウバイ蝋梅とソシンロウバイ素心蝋梅

亡き母が畑(借りた)に植えたロウバイ、今、黄色い花が咲いている。昨年、地主から返却要請があり、更地にしてだろうと、ロウバイを伐採しに来た。その借り方が口約束であったことから、詳細を聞いていない。母が貸して欲しいとお願いした節は考え難い、賃料(年貢という言葉を使う)が無料であったことから、返却要請があるまでの耕作依頼だったのではないか、と推察される。隣接地は他の地主から父の時代から長年借りている土地で地続きになっていたことから、母に依頼したのであろう。母はここにロウバイの他、野菜を栽培して親戚などに配っていた。

三回忌が終わりその一年後の返却要請であったことになるが、認識していなかったのでやや慌てた。野菜畑は妹が豆類を植えていただけだが、ロウバイが成長して背丈以上になっていた。最初は境界線を認識しておらず、隣りのマキが植えてある畑までかと勘違いしたが、そうではなかった。花が咲いているロウバイを切ってみたが柔らかく根も浅い、幸い午前午後2時間程度で伐採、根を掘り終えた。その数日後に妹が耕運機で整地、返却準備が整った。実家に一緒に住んでいれば情報が共有され認識しているので慌てなくてもよいが、いささか今回は寝耳に水、母が亡くなった後で借地とその条件を確認済みのつもりだったので。

地続きの畑も借りているが、そこにはソシンロウバイとロウバイなどなどが植っている。そこで気が付いた2種類の蝋梅、花弁の色が異なる。母が植えたロウバイはソシンロウバイであった。

内側の花弁が黄色いのが素心蝋梅(ソシンロウバイ)、花弁が赤紫色をしているのが蝋梅(蝋梅)、素心蝋梅は園芸品種である。名前に「梅」とついているので梅の仲間「バラ科サクラ属」と誤解されやすいがロウバイは「ロウバイ科ロウバイ属」の植物である。

ロウバイは中国原産で江戸時代、17世紀頃に渡来した。名前の由来は、ロウ月(12月)に咲く梅との説と、花が梅と同じ時期に咲き、香りもよく似、花弁の色が蜜蝋に似ていることからとの説がある。花は葉に先に1・2月頃に開花する。

ロウバイは生薬としても知られており、ロウバイの花蕾を『臘梅花』『黄梅花』として薬用に用いる。1月中旬頃に開花前の蕾を取り、日陰干しで風乾させ、生薬とする。薬性は温、薬味は辛、無毒、中国では、暑を解し津液を生じる効能があり、熱病煩渇、咳嗽、火傷を治すとされ、民間薬でも咳、火傷などに用いることがあるとのこと。
  臘梅や雪うち透かす枝のたけ  芥川龍之介
  臘梅の臘の花弁のやわらかき  鎌田健一

ロウバイが長くなったが、実家の台所、朝は5℃だった、即ガスファンヒーターを付けたが、この暖かさは日本家屋なので継続しない、切ると直ぐに下がっていく。温度計は昼間、8℃弱、畑仕事から戻って昼食を食べた時、今の季節、畑仕事をしていても汗までかかない程度なので丁度良い。

最後の写真、珍しくゴーっと飛行機の音がしたので見上げた、いつもなら羽田空港南風時の着陸体制の飛行機がひっきりなしに飛んで来るが、ここでは稀。北西の方から輸送機3機編隊が3回通過し南東へ飛んで行った、各務原基地からだろうか?





 


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