メルセデス・ベンツ W210 E320(1995〜2002年頃)は、上質な直線加速と静粛性を兼ね備えたモデルで、自然吸気V6エンジンを搭載しています。
- 生産期間:1995年〜2002年
- 車両クラス:Eクラス(ミドルサイズセダン)
- 駆動方式:FR(後輪駆動)または一部4MATIC(フルタイム4WD)
- 代表グレード:E320(セダン/ステーションワゴン)
エンジン仕様(年式別)
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年式 |
エンジン形式 |
形式 |
排気量 |
最高出力 |
最大トルク |
備考 |
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1995〜1997年 |
M104 |
直列6気筒、DOHC 24バルブ |
3,199cc |
220PS162kW/5,500rpm |
32.0kgm315Nm/3,750rpm |
スムースで高回転思考、名機M104 |
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1997年〜2002年 |
M112 |
V型6気筒 SOHC3バルブ |
3,199cc |
224PS165kW/5,600rpm |
32.6kgm315Nm/3,000縲4,600rpm |
軽量化・燃費改善・静粛性向上 |
エンジンの特徴
✅ M104型(直6・前期型)
- 直列6気筒らしい滑らかな回転フィールと上品な音質。
- トルクの盛り上がりは中〜高回転域中心で、ややスポーティ。
- ただしオイル漏れや冷却系トラブルが出やすい傾向もあり、整備性はやや複雑。
✅ M112型(V6・後期型)
- アルミブロック採用で軽量化、燃費・ハンドリング改善。
- 低中速トルクが厚く、街乗りでも扱いやすい。
- SOHCながら可変バルブタイミングを採用し、レスポンスが良好。
- 静粛性が高く、振動も少ない。
- メンテナンス性も向上(M104よりシンプル)。
評価
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観点 |
特徴 |
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エンジンフィール |
スムーズでトルクフル、静かで上品。 |
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加速 |
高速域でも伸びやか。重量感のある安定加速。 |
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静粛性 |
当時のセグメントでもトップクラス。 |
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振動 |
バランサー付きで非常に滑らか。 |
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信頼性 |
定期的なメンテナンスで長寿命。オイル漏れやOリング劣化に注意。 |
注意点(経年車として)
- オイル漏れ(ヘッドカバー・Oリング)
- エアマスセンサー・クランク角センサーの故障
- 冷却系(ラジエーター・サーモスタット)劣化
→ いずれも20年以上経過しているため、整備履歴次第で性能差が大きくなります。
まとめ
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項目 |
内容 |
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エンジン |
M104(直6)または M112(V6) 3.2L |
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出力 |
約220~224PS/32kgm |
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0-100km/h |
約7.5秒 |
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特徴 |
滑らか・静か・中速トルク豊富・信頼性高い |
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弱点 |
経年劣化部品の交換コストがかかる |
E320が2000年製なら、搭載エンジンはほぼ確実に「M112型 V6 3.2L」です。
その場合は、力強く扱いやすいトルク型エンジンで、W210世代の完成度が最も高い時期のモデルといえます。
よくある弱点・整備上の注意点
項目 | 内容 | 対処法・対策 |
① オイル漏れ(特にカバー類) | バルブカバーガスケット、オイルフィルターハウジング、ブローバイホース接続部などからにじみやすい。 | ガスケット類は5〜10年で硬化。オイル滲みを見つけたら早めにパッキン交換。 |
② エアマスセンサー故障(MAF) | アイドル不安定・エンスト・チェックランプ点灯。 | 純正BOSCH製推奨(社外安物はトラブル多)。清掃ではなく交換が確実。 |
③ クランク角センサー(CPS)劣化 | エンジンが突然止まる、再始動困難など。 | 経年劣化部品。10年超えで予防交換推奨。 |
④ サーモスタット・ラジエーター劣化 | 水温が上がりにくい/オーバーヒート気味になる。 | 水温計の動きを常に確認。10万km前後でサーモ交換。 |
⑤ エンジンマウント・ミッションマウント劣化 | 振動が大きい・発進ショック増。 | 10万km超で交換時期。新品で驚くほど静かに。 |
⑥ プラグ・イグニッションコイル | 失火・アイドル不調。 | 6気筒×ツインスパーク=12本プラグ。定期交換必須(4〜5万km毎)。 |
⑦ バキュームホース劣化 | アイドル不調・燃費悪化。 | ゴム硬化でエア吸い発生。シリコンホース交換が長持ち。 |
⑧ PCVバルブ詰まり | ブローバイ増加・オイルにじみ。 |
オイルメインテナンスのポイント
項目 | 推奨内容 |
オイル粘度 | MB純正指定:SAE 5W-40 または 10W-40(ACEA A3/B4・MB229.3/229.5規格) |
容量 | 約 8.5L(フィルター込み) |
交換サイクル | 1年または10,000〜12,000km毎(日本では距離より期間で判断) |
おすすめオイル例 | - Mobil 1 FS 5W-40- Castrol EDGE 5W-40- LIQUI MOLY TopTec 4100 5W-40- シェルHelix Ultra 5W-40 |
フィルター | 毎回交換推奨(MANN・MAHLE製が純正品質) |
その他の定期整備ポイント
部品 | 目安時期 | 備考 |
ファンベルト・テンショナー | 10万kmまたは10年 | 劣化で異音発生。 |
クーラント(LLC) | 2〜3年ごと | 錆・電蝕防止のため。 |
フューエルフィルター | 5万km | 燃圧低下を防止。 |
トランスミッションATF | 5〜6万km | MB純正ATF 236.14規格推奨。 |
スパークプラグ | 4〜5万km | ツインプラグ方式のため12本。 |
エアクリーナー | 2万kmまたは年1回 | 吸気効率維持。 |
@by Chat GTP

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