Wednesday, 15 September 2021

乳香(フランキンセンス)

乳香、フランキンセンス若しくはオリバナムと呼ばれる植物の樹脂である。英名フランキンセンス(Frankincense)は、中世フランス語の「franc(真の)」と「encense(香り)」の二つの単語が合わさったものに由来し、オリバナムはアラビア語の「乳」が語源である。

乳香は、旧約聖書には、シバの女王がイスラエルのソロモン王の博識を確かめるために、黄金・宝石・白檀・乳香などを携えた遣いの者をソロモン王に送った、という逸話が記されています。

 また、新約聖書には、イエス・キリストの誕生を祝し、東方の三賢人(博士)が黄金・乳香・没薬を捧げたという逸話が記されています。黄金は王権を、没薬は死を、乳香は神権を象徴しており、救世主に捧げるに相応しいものと考えられてた。


ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂のこと

古くからこの樹脂の塊を焚いて香とし、また香水などに使用する香料の原料として利用されている。

香以外にも中医薬・漢方薬としても用いられ、鎮痛、止血、筋肉の攣縮攣急の緩和といった効能があるとされる

正教会では、古代から現代に至るまで、奉神礼(典礼)で香炉で乳香を頻繁に焚いて用いる。振り香炉にも乳香が用いられる。

ボスウェリア属の樹木は、オマーン、イエメンなどのアラビア半島南部、ソマリア、エチオピア、ケニア、エジプトなどの東アフリカ[1]、インド[6]に自生している。 これらの樹皮に傷をつけると樹脂が分泌され、空気に触れて固化する。1-2週間かけて乳白色~橙色の涙滴状の塊となったものを採集する

乳香は紀元前40世紀にはエジプトの墳墓から埋葬品として発掘されているため、このころにはすでに焚いて香として利用されていたと推定されている。古代エジプトでは神に捧げるための神聖な香として用いられていた[1]。神に捧げるための香という点は古代のユダヤ人たちにも受け継がれており、聖書にも神に捧げる香の調合に乳香の記述が見られる。

また、ベツレヘムでイエス・キリストが生まれた時に東方の三博士がイエス・キリストに捧げた贈り物の中に乳香(フランキンセンス)、没薬(ミルラ)、黄金がある


没薬

没薬樹はスーダン、ソマリア、南アフリカ、紅海沿岸の乾燥した高地に自生する

ムクロジ目カンラン科コンミフォラ属(ミルラノキ属)

の各種樹木から分泌される、赤褐色の植物性ゴム樹脂のことである。外国語の転写からミルラ(Myrrh)とも呼ばれる。


古くから香として焚いて使用されていた記録が残されている。また、殺菌作用を持つことが知られており、鎮静薬、鎮痛薬としても使用されていた。


古代エジプトにおいて、日没の際に焚かれていた香であるキフィの調合には没薬が使用されていたと考えられている。また、ミイラ作りに遺体の防腐処理のために使用されていた。


没薬は医師が薬として使用していたことから、これは救世主を象徴しているとされる。また、イエス・キリストの埋葬の場面でも遺体とともに没薬を含む香料が埋葬されたことが記されている。



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