Tuesday 17 October 2023

日本における正教会-日本ハリストス正教会と駐日ロシア正教会ポドウォリエ

近所に駐日ロシア正教会ポドウォリエがあり、認識の中ではお茶の水のニコライ堂、日本ハリストス正教会(日本正教会)がある。正教会はその国ごと(承認されれば)に独立しているとの認識だったが、日本には二つの正教会が存在する、これはどういうことなのか、紐解いてみた。

ここでいう正教会とは、ギリシャ正教会、東方教会を指すが、ここでは日本との関係の深いロシア正教会についてに限定する。

日本での正教会は歴史的には、日露通好条約が締結され函館にロシア帝国領事館が設置され、領事館付き司祭としてニコライ・カサートキン、後の日本大主教イヴァーン・ドミートリエヴィチ・カサートキン(ロシア語: Иван Дмитриевич Касаткин)。日本正教会では「亜使徒聖ニコライ」と呼ばれる事が多い

年譜:

1857年、サンクトペテルブルク神学大学に1857年入学、在学中にヴァシーリー・ゴロヴニーンの著した『日本幽囚記』を読んで以来、日本への渡航と伝道に駆り立てられたニコライは在日本ロシア領事館附属礼拝堂司祭募集を知り、志願した。

ゴローニン事件は、1811年(文化8年)、千島列島を測量中であったロシアの軍艦ディアナ号艦長のヴァシリー・ミハイロヴィチ・ゴロヴニン(ロシア語: Василий Михайлович Головнин, Vasilii Mikhailovich Golovnin、以下ゴローニンと記載する。)らが、国後島で松前奉行配下の役人に捕縛され、約2年3か月間、日本に抑留された事件である。

1860年、修士誓願し修道士ニコライ(ニコライはミラ・リキヤの奇蹟者聖ニコライ)となり、修道司祭に叙聖された。

1861年、箱館のロシア領事館附属礼拝堂司祭として着任、 

1868年、慶応4年4月、ニコライは自らの部屋で密かに、日本ハリストス正教会の初穂(最初の信者)で後に初の日本人司祭となる土佐藩士沢辺琢磨、函館の医師酒井篤礼、能登出身の医師浦野大蔵に洗礼機密を授けた。

1872年、

 1912年2月16日、大主教ニコライ永眠、1970年にはロシア正教会によって「亜使徒」の名で列聖された。府主教セルギイ(チホミロフ)が後継者に、

1940年、「宗教団体法」に制定施行、外国人は宗教団体の長にはなれなかった。

1945年8月10日、府主教セルギイが永眠した、スパイ疑惑をかけられて約1ヶ月間投獄されている

1946年11月、モスクワ総主教庁は2名の主教を日本に派遣したが、占領軍本部はマーク・アルトゥール将軍の命令により日本入国は許可されず、その代わりにアメリカ・メトロポリヤから主教が招聘された。

 これに賛同できない聖職者と信徒たちのグループはニコライ堂を離れて「正統正教会」を組織し、その長となったのが主教ニコライ小野とアントニイ高井であった。

1957年9月30日、ロシア正教会シノド(宗務院)会議はこの教会を日本の眞の正教会であると認めた。同時に、この教会が大主教ニコライが創設した日本正教会の後継教会であるとの決議を行った。

1965年、首司祭アントニイ高井が他界した、その後継者となったのが大主教(当時は司祭)ニコライ佐山で、彼は1967年12月10日にレニングラードで東京及び日本の主教として叙聖され、日本正教会の第3代首座と公示された。

1970年4月、から聖シノドの決議によりニコライ佐山主教が監督していた日本正教会の活動は新しい段階を迎え、ロシア正教会のポドウォリエとしての活動である。ニコライ佐山主教は日本正教会の首座と日本ミッションの長から解任されてポドウォリエの主管者に任命された。

1970年、モスクワ総主教庁とアメリカ正教会による承認、ただしコンスタンディヌーポリ総主教庁は承認せず

1979年5月22日、聖奇蹟者ニコライの不朽体移転祭日にポドウォリエは「日本正教会」から「ロシア正教会モスクワ総主教庁駐日ポドウォリエ」と名称を変え、宗教法人として登記された。

独立教会:日本正教会

自治教会:ロシア正教会モスクワ総主教庁駐日ポドウォリエ

参考:

https://www.orthodoxjapan.jp/h-n.html

http://www.sam.hi-ho.ne.jp/podvorie/general/jp/index.htm


ロシア正教会=モスクワ総主教庁

日本ハリストス正教会=
自治独立が認められている正教会所属教会のひとつである。

GHQから、日本正教会はソ連の影響下にあるモスクワ総主教庁ではなく、のちにアメリカ正教会に発展することになる「北米メトロポリア」と関係を持つよう指令され

ロシアと直接的に関係を持つ日本の正教会として、ロシア正教会による「モスクワ総主教庁駐日ポドヴォリエ」(国家における大使館的な役割を果たす、正教会における組織の種別)があり、本駒込と下目黒の聖堂でロシア人信徒のために奉神礼の大半を教会スラヴ語で行っている。

モスクワ総主教庁駐日ポドヴォリエ
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/podvorie/index.htm

本駒込
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/podvorie/general/jp/index.htm

下目黒
ネヴァの聖大公アレクサンドル聖堂(アレキサンドル・ネフスキー聖堂)
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/podvorie/index.htm

 ポドヴォリエ

共同通信の特集記事

▽「あなたの知らない日本@東京」  東京・目黒の住宅地にロシア正教会の「出張所」(上)

https://www.47news.jp/47reporters/himekuri/313556.html

▽ロシア正教会出張所(中)「米国派」と「ロシア派」に分裂

https://www.47news.jp/47reporters/himekuri/313532.html

▽ロシア正教会出張所(下)ロシアに「はしご外された」悲劇の日本人大主教

https://www.47news.jp/313450.html

 

 

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