アサド前大統領、辞任して出国したので前ですね、ロシア軍機でモスクワへ、ロシアが亡命を認めたとの報道。夫人と子供達を先にモスクワへ退避させたのでこうなることは想定内だったのでしょう。また、ダマスカスを無血開城したのはギリギリの英断だったのでは、戦力状況を踏まえたのでしょう。
課題は今後の反政府勢力による統治機構の再編、一枚岩では内容ですがHTSとFSAは良好な関係とのこと、ただ、HTSがアルカイダ系であり、国際社会がどう受け止めるのか、また、イスラエルが1974年停戦合意を反故にしてゴラン高原のDMZ境界を越境してシリア領内へ侵攻、占領のかまえ。
シリアは、2011年以降、アラブの春に連動した民主化運動が発展して政府軍が強権的に武力で弾圧、複数の反政府勢力と内戦状態に突入した辺りから国内治安が不安定化し、国内避難民や難民が急増した。
今回、10日あまりで政権が転覆したのはシリアを支援していたロシア、イラン/ヒズボラがそれぞれ対峙しているウクライナとイスラエルに集中せざるを得ない状況になり、このパワーバランスの間隙を突いたことから、シリア政府軍だけでは持ち堪えられずダマスカス開城となった。無血開城は潔さだったのか、結果は幸いだった。
イドリブを拠点とするHTSシャーム解放機構はアルカイダ系、この組織が躍進できた背景にはカタールやサウジアラビアのスンニ系産油国の支援があったに違いない。今回の攻勢はHTSが強くなったのでなく、アサド政権がイランの支援を失ったからと考えられる。
イスラエルがヒズボラを攻撃、弱体化させ、イランがレバノンとシリアに再進出しないと約束し、レバノン停戦が11月28日に発効した。トルコはイラン系がイスラエルに駆逐されてアサド政権が弱体化していること、イランがシリアに援軍を出さないことから、アサド政権転覆を意図して翌日にトルコがHTSに進軍を開始させた。
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