Monday 16 September 2024

現在のリンゴの祖先木

 現在食べられているリンゴの約90%は、DNA分析によりカザフスタン東部に広がる天山山脈の斜面の森林に自生するマルス・シエウェルシイ(Malus sieversii)という野生リンゴの木であったことがわかっている。

他方、リンゴの原産地はアジア西部といわれ、北部コーカサス地方が有力視されている。

約5000年から1万年前に栽培植物化され、そこから好ましい性質を持つリンゴが徐々にシルクロード沿いに西に運ばれることになったと言われている。

そのテンシャン山脈の麓(遠いが)のカザフスタンの前首都アルマトゥ(ソ連時代はロシア語のAlma-ata)はカザフ語の「リンゴの里」という意味である。


出典:画像はfbより

Wednesday 11 September 2024

尾州の毛織物

 2015/9/10、地下鉄の吊り広告に目が止まった。

「尾州服地使用イージーメイドスーツ」

森英恵の夫君、森 賢の実家がこの尾州、尾張一宮で毛織物業か毛織物を扱う商店だったとものの本で読んだことがある。一宮は実家から名鉄尾西線で行けた街で叔母が住んでいて、七夕祭りに何度か行ったことがある。

尾張地方の毛織物業は戦後に盛況な時期があったが輸入品に押されて衰退し70年代にはその殆んどが転業を余儀なくされた。現在でもグローバル市場で競争力のある製品を生産する優位性の高い企業が存続している。黒の生地は尾州産と聞いたことがある。

子供の頃に大きな音を立てている自動織機工場へ入ったことがあるが、生地を織るために横糸をロケット型をした容器に入れそれを縦糸との間に往復させて織る仕組みを垣間見た。ものすごく大きな機械音とマシン油の臭い、そしてノコギリ屋根の工場が印象に残っている。実家は農村地帯だった、地主はそういう事業にも手を出していた。

https://bishu-japan.com/

Monday 9 September 2024

英国陶器 Balfour China 1952年代以前のカップ&ソーサ トリオ

英国陶器 Balfour China 1952年代以前のカップ&ソーサ トリオ

カップ 口径8.7cm、高さ6.4

ソーサ 直径13.8cm、高さ2.8cm

ソーサ(四角) 15.8 x 15.8cm、高さ1.5cm








刻印のBalfour China Co,,Ltdから1952年以前の製造と思われます。Balfour China Co,,Ltd はGladstone地区Longton, Stoke-on-Trent のthe Royal Crown Potteryで製陶していた会社で、1952年にTrentham Bone China Ltdに吸収され、そして1957年に倒産し管財人管理下になった。その後、Victoria Porcelain (Fenton) Ltdが窯と型を買収し、Victoria & Trentham Potteries Ltd.と社名を変更して事業を継続している。

この地区は18-19世紀に製陶業が盛んであり多くの製陶業が存在した、詳細は下記博物館を参照してください。

Gladstone Pottery Museum

https://www.stokemuseums.org.uk/gpm/

詳細不明ですが、このトリオはBalfour China社の刻印から1952年以前のものと思われます。

Saturday 7 September 2024

NHK特集ショパンコンクール'85

 こんな映像が視野に入った。1985年の第11回ショパン国際ピアノコンクールのNHK特集、ほんの2ヶ月ほど前にワルシャワに滞在していた、数日だが、ワルシャワフィルもコンクールなども知らずに。映像に映る当時の街の様子、旧市街や人々、私の印象より明るい。

第11回はなんと日本人が26人出場、1次予選通過は10人、最終的に小山実稚恵さんが4位に入賞した。1位はソ連のスタニスラフ・ブーニン、モスクワ音楽院の19歳だった。3代続くピアニストの家系、神経質そうなと紹介されている(カメラが予選直後に追い回しているのが原因)。例のモスクワ音楽院のドレンスキー教授が代わりにインタヴューに応えていた。審査員のピアニストの園田高弘さんは「100年に一人出るか出ないかの逸材」と称賛していた。

このNHK特集が日本でのブーニンブームの火付け役となったとのこと。音楽に疎かったのでブーニンやショパンを聴いたのは何年も経ってから。NHK特集の本音はヤマハとカワイのピアノが演奏者に選ばれるか否だったのかと思う。2021年の第18回でもNHKはこの視点で特集を制作、放送している。

NHK特集ショパンコンクール'85

https://youtu.be/kv8mgdhpfEg?si=7FAk4JIqsuH8weIt


最終選考会でのブーニンの演奏

Stanislav Bunin plays Chopin Piano Concerto no. 1, op. 11 - video 1985

https://youtu.be/FOPQn17s5hs


「カーテンコールのあとで」スタニスラフ・ブーニン著

 「カーテンコールのあとで」スタニスラフ・ブーニン著、1990年発行なので30年以上前に刊行されたブーニンの4半世紀の自叙伝的な本をやっと読んだ。

古本を買おうと考えたがプレミアムが付いていて手が出せる金額ではなかった。図書館で検索したら幸いに所蔵していたので借りてきた。が、なかなか読めず、借りて返却をなん度も繰り返していたが、今回やっと頁をめくる心境になった、そしたらあっという間に読み終えた。この本はロシア語で書かれて日本語に翻訳されたもの、ピアニストが書いた著作は演奏に向き合う姿勢がピアニストの視点で書かれていることが多く、興味があったからだ。また、ソ連時代の音楽教育や生活、モスクワ音楽院、西独への亡命、そしてショパン国際ピアノコンクールのことなども。

ピアニストの著作としては中村紘子が何冊か執筆しており、審査員の立場で書かれたチャイコフスキーコンクールなど、面白く読ませていただいた。