Saturday 26 December 2015

天皇誕生日が来ると元上司を思い出す

天皇誕生日が来ると元上司を思い出す。1998年12月23日、私はダマスカスで仕事をしていた。その上司とはダマスカスで一緒だったが別の業務のためパリ経由でアスンシオンへ移動しその後帰国していた。アスンシオンで体調を崩したと聞いていたので心配していた。
私はダマスカスから東京に確認することがあり日本は祝日だったが誰か出勤しているだろうと電話をしたらその上司が出た。気遣って祝日デスよ、と言ったら「私は非国民なので」とジョークで返されてしまった。その時、既に病魔は進行していた。
年末帰国、1999年明けに出勤して驚いたが上司は腹水が溜まっていた。新年、一度だけ昼食に蕎麦を食べに行ったのが上司との最後の食事となってしまった。
上司は年明け早々に提出予定だった中間報告書を執筆していたのだ。蕎麦を食べながら医師の診断を強く勧めた事を覚えている。ドラフトが出来上がった事と、 ダマスカス調査団長であり、会長であった技術系トップからの説得の根回しが功を奏して、上司は会社近くの総合病院での診断に合意、その結果、検査入院する ことになった。しかし、病状は既に手遅れ、病院にラップトップを持って来るよう電話が入ったが、日に日に痩せていった。
1999年3月初め、ブカレストへ出張予定だったのでその前に上司を見舞った。3月3日、オトペニ空港についた。こちらも元上司の調査団長だが空港まで出 迎えてくれた。車中、入院中の元部下(私の上司)の状態を非常に気にしていた。夕飯の約束をして別れたが、その直後に電話があり、訃報のファックスが入っ たことを知らされた。
天皇誕生日というと、常に元上司のジョークと強い責任感を思い出す。享年51歳、肝癌でした。

No comments: