先日(2008年12月だが)、表参道に通じるFrom Firstのある通りを久しぶりに通った。そこにはインパクトのあるガラス張りのプラダ青山店が聳えていた。2003年5月に竣工なので5年以上はその通 りを通っていないことになる。90年代は表参道の血相から離れ落ち着いた佇まいの中にあるカフェへ時として足を運んだりもしたが相当なご無沙汰だ。
昨今の商業建築、なんと表現すべきなのだろうか、高級ブティックが建築家へ設計を依頼するのが流行っていることなのか、それとも建築家が公共空間としての商業建築に積極的になったということなのか、アーバンデザインの視点、東京建築の視点からは頼もしい挑戦だ。
かつて商業建築は経済的な追及から表面だけのデザインになりこれは建築ではないと言われた時代があったが、都市を構成する重要な空間でもあり、これらの表現は頼もしい。
同じ通りの直ぐ近くにあるフロムファースト(山下和正設計、1976年)や
コレツィオーネ(安 藤忠雄、1989年)とはやや趣を異にする。これらは街路からそのまま素直に中に入れるような商業施設における公共空間(パブリックスペース)のあり方を 提案したと考えられる。他方、プラダ青山ビル(Herzog & de Meuron(ヘルツォーク&ド ムーロン)+竹中工務店)はオブジェのようなガラスか水晶の塊的だ。直感的には表面がガラス素材であるが眺めていると包み込むというか、籠というか、そん な印象を受けた。内装もこのヴォリュームは斜線制限と容積率の建築規制から決まったようだ。
それは、これまでの水平と垂直の線の構成はどこへ行ってしまったのかと思うような建築で最近銀座でも似たようなデザインが多い。
http://media.excite.co.jp/ism/066/index.html
http://www.excite.co.jp/ism/architecture/
http://www.archstructure.net/contents/prada/index.html
http://all-a.net/a_map/jp_tokyo/prada_aoyama.html