Saturday 12 February 2011

昨今の北方領土発言の真意は?

我が国の首相が露大統領の国後島訪問について「許し難い暴挙」と発言、率直に言ってはっきり言うべき相手はロシアではない、そして、今更、なぜこのタイミングでの発言なのか、と感じた次第。

以前、メドベージェフは北方領土問題に関して「異なったアプローチで北方領土交渉を行なう」とのメッセージを出している。これを読み解けば、露は北方領土まで予算を割く余裕はなく、また、それを推進する政治家も限定的であり、日露共同開発構想を推進しつつ歩み寄れるチャンスがあったのではないだろうか。

ロシアの強気は2012年大統領選挙を踏まえてであることは十分に考えられるが、2010年、ノルウェーとの国境問題交渉では弱腰と国内で批判されていることもあり内政的には強いロシアを演出したいのだろう。このような背景を考慮してロシア側に無闇に強気な反応を誘うような「不法占拠発言(麻生元首相)」、「許し難い暴挙」発言は控えるべきである。

「許し難い暴挙」発言後、メドベージェフは国防大臣へ軍の配備を指示した。ここまでくると、露大統領選後に方針が変更されることはないだろう。また、在日7年の元駐日ロシア大使は、「現政権を北方領土交渉の相手とはみなしていない」、とコメントしている。

とはいいつつも、ロシア側からの自動車業界進出のラブコールや資源開発などの日本への期待は増大傾向にある。日本の現政権はロシア政府とどう対峙するつもりなのか、カードの切り方は慎重にやってほしい。
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